浅倉 健一がだらだらと書き連ねるブログです
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お陰様で無事完結を迎えることが出来ました、ロックマンコードⅡ.Ⅴ。今回も後書きと補足、裏話なんかを書いていこうと思います。
未読の方もいるかと思いますので、本格的な話は続きへ。
◇全体の後書き◇
はっきり云ってこんなに筆が速いのは何年ぶりくらいだろうと思う程のハイペースでコードⅡ.Ⅴを書ききることが出来て、自分でも驚いています。これも楽しみにしてくれている皆さん、応援してくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。ここに御礼を申し上げます。
さて、内容に関する話なのですが、今回は原作ロックマンファンの方をニヤリとさせつつも怒られるくらいの気持ちで書いてみました。アクセルのみならずロックマン、ライト博士やワイリー博士まで引っ張り出して悪役にしたわけですから、当然だと思います。
ただ今回こういうストーリーにしたのは、自分の根底にずっと「エックスがイレギュラー化したらどうなるんだろう?」という疑問があったのだと思います。エックスそのものは出てきませんが、今回の話はそれの一つの答えだと思います。もう人間を護るとかイレギュラーを根絶するとかそういうレベルの問題じゃなくて、全部滅ぼして争わないロボットだけを住まわせる。ある種の箱庭というか、もはや世界が存在する意味さえも無いと思われる幻想ですが、必死に護ってきた人類が何十年、何百年も変わらずにずっと争いばかりしているのを見たら、もしかしたらエックス(ライト博士)はああいう風になったのかもしれないなと思ったのです。
最も今回黒幕として出てきたスーパーコンピュータはライトでもワイリーでもない存在で、もはや全く別の考え方をしてるわけですから、例えライト博士が何百年生きていようとああはならなかったとも思いますが。
それにしても最近だとロクゼロの設定資料とかでシグマウィルスの原型を作ったのがライト博士ってことになってるみたいで、もしかしてシリーズ全体の黒幕はライト博士なのか?とかちょっと思っていたりもします。最初に世界征服を始めようとしたのはワイリーですが、その動機や手段もライト博士に起因するし、エックスを作ったのもライト博士。レプリロイドはエックスを基礎にしているわけですから、シグマが生まれたのもある意味ライト博士が原因。そしてネオアルカディアが・・・と考えていくと、全ての原因はライト博士にあったのかな、と。
X5の覚醒ゼロENDのライト博士の「嫌なメモリー」発言も自分の中に深く根付いていて、もしかしたらライト博士は劇中で云われているほど素晴らしい人間ではないのかもしれない。そんな風に思った瞬間、反射的にこういうストーリーが出来上がっていました。
初代ロックマンのファンの方々、ライト博士は善人だよ!という方々、本当に申し訳ありません。
ただ初代シリーズが10になってもXとの繋がりを全く見せず、そのXシリーズ自身も続編が絶望的・・ということで、イレギュラー化したエックス、ひいてはもしもそんな一面があったらと仮定したライトとワイリーの行く末を自分なりに表現してみたくなり、今回のこの作品を書くに至りました。
もしもこの作品を読んで不快になられた方がいらっしゃいましたら、深くお詫び申し上げます。ですが、楽しみに待っていると励まして下さった方々が楽しんで頂ければ幸いです。自分の中の正義への葛藤や、ロックマンという言葉の重み。そんなものを全力でぶつけた作品でした。
以下はちょっとした補足や裏話をいくつか。
◇輝と勇気◇
前編では活躍しなかった輝と、アクセル戦では未熟さが災いしてついていくのがやっとだった勇気ですが、この後編ではメインとなって大暴れしました。パワー、スピード、反応速度全てにおいて上回りながらも圧倒的な実力と豊富な手数に押される輝と、超高スペックのアベルを相手に奮闘する勇気。今回の闘いは、ある意味二人にとって大きなターニングポイントだったと自分では思っています。
今まで輝の背ばかりを追っていて、ある意味ではチビ輝でしかなかった勇気。実際今もまだ輝の背を見ていることには変わりないのですが、少しずつ変わり始めている。当の輝もコードⅡのラストの時点で少しずつ考え始めていた事柄が、今回完全に形になった。
一体何のために闘うのか。何を護るために闘うのか。何として、誰として闘うのか。今回の闘いは、二人に蒼いロックマンの分岐点だったのかもしれません。
それがどういう分岐点だったのか。輝と勇気の二人が今後どういう道を進んでいくのか。精一杯メッセージは込めたつもりです。読んでくださる方々がそれを感じて頂ければ嬉しいです。
◇海と響◇
前編では大活躍だった二人ですが、後編ではちょっと勇気に押され気味で出番は少なめ。それでも描写されていない場面ではアベルと必死に闘っていますし、変身前のアベル戦では勇気以上に奮闘してます。
今回二人に云えることは・・・うーん・・・敢えて云うなら、二人は良い意味で輝や勇気よりも割り切ることが既に出来ていて、今更闘う理由も何も迷わないということでしょうか。
海は以前の輝との喧嘩で。響はいわずもがなアークとの最終決戦で、既に自分に必要なものを知り、何のために闘うかも知っている。だからアベルに理想郷の話を聞かされた時も輝や勇気のようにわざわざ何かを口に出して云う必要はない。理想郷の為に全てを滅ぼす?何云ってんだ、ふざけんな。そんなことさせるわけないだろ、そんな馬鹿げたことはぶっ潰してやるぜ。くらいの気概です。
過去にジェノサイド化した苦い経験を持ち、未だ自分のアイデンティティに僅かに揺れる輝。未だ精神的にも肉体的にも未成熟の勇気。そんな二人に対して海と響に迷いはない。悩むことも迷うことも大切だけど、全員がそれじゃどうしようもない。だからいつも迷わずしっかりと地に足をつけている者が必要。海と響はそういう立ち位置になってくれたらいいと思います。
前編ではアクセルを仕留めた響。相変わらず安定して強いです。海の方は今回パッとしないなとお思いかもしれませんが、ちゃんとガンマを倒してます。戦闘能力的に負けているわけではないです。本当です。海は強いよ!
◇A・X・Lシリーズ◇
はい、出ました。勝手に裏設定をつけちゃおうということで敵として登場して頂いたアクセルシリーズ。劇中では細かい設定が語られなかったので、ここではちょっとだけその話をしたいと思います。
X8では新世代レプリロイドのプロトタイプということになっているアクセルですが、X8の歴史を内包していない本作では全く別物になっています。コンセプトは本人達が語ったように、最強のレプリロイド。特殊武器可変システムを更に進化させたA-トランスで様々な姿に変身することでいかなる状況にも単機で対応することが出来る能力を持ち、本人の戦闘能力も劇中で云われている通り、Noah`S Ark戦の前の輝達なら四人全員を一人で圧倒出来る程。輝達の新アーマーとNoah`S Arkとの闘いの経験がなければ、まさに最強のレプリロイドでした。
因みにA・X・Lシリーズは全部で三体います。劇中でアベルが一回だけ名前を出しましたが、その最初の一体がAdvance・X・Lordeで、原作のアクセルに相当するレプリロイドです。つまりセイヴァーⅡのラストにほんのちょこっとだけ出てきた彼がそれです。A・X・Lシリーズの中では試作機に対応する初代アクセルは原作通りコピーショットでDNAデータを採取しなければ変身出来ないという欠陥があり、その変身時間も限られた時間しかないという中途半端なものでした。生まれたばかりの彼は暴走して自分のカプセルを破壊して逃走。その後レッドアラートに拾われ、紆余曲折を経てセイヴァーⅡのラストに登場し、その後ハンターとして殉職しました。顔についたX字の傷は南極の研究所から逃げ出す時にパンテオン達と闘って出来た傷という設定です。記憶を失っているのもその時のショックのせい。
そして前編で登場したアクセルことAderent。こちらは外見そのものはアクセルと同じですが、顔に傷はありません。活躍は知っての通りで、勇気達の新アーマーの戦闘データを収集して用済みになったのでアベルによって破壊されてしまいました。最もあのままでも海か響にやられていたでしょうけど。
そして、完成形のアベルことAbel・X・Lorde。結局劇中では描写されなかったんですが、実はあのスーパーコンピュータの固有名がカインで、こっちがアベル。失楽園云々の話だったわけですが、会話のテンポ的にどうしてもカインと名乗らせることが出来ませんでした。余談です。
でまあ、X8のアンノウンアクセルよろしく白いアベルですが、何故白いかというと単に塗装が間に合わなかっただけという。それでも新戦闘データの入力でアクセル以上の戦闘能力を発揮し、勇気達を苦しめました。
そしてそのアベルの最大の能力が本人曰く真のAderrent-Trance。なんとびっくり、大型メカニロイドの姿にまで変身出来るというとんでも能力です。質量保存の法則が・・!という突っ込みがもちろん来るでしょうが、実はあれ、まだあの部屋の中でしか使えないんです。床とか天井からうにょうにょーっと追加パーツの為の液体金属がしみ出てきて、それがくっついて変身するイメージです。多分外で変身する時はでっかいサポートメカとか連れていくんでしょうね。
今回はガンマと真イエローデビルの姿にしか変身しなかったアベルですが、実は没原稿ではメカドラゴンやイエローデビルなど四種類くらい変身してます。無茶苦茶くどくなるので結局カットしちゃいましたけど・・。とにかく、アークを入れてもスペック的には史上最強の敵でした。
最後悩む仕草を見せたアベルですが、その精神はもう随分前に完成していて、カインと一緒に世界を見てきました。最初はカイン同様真の理想郷に対して何の疑問も持っていなかったんですが、勝てないとわかりきった闘いでも諦めない勇気達を見て、心を動かされたのか。それとも元々ほんのちょっとは疑問を持っていたのか。
なんにせよ真の理想郷の頂点に立つだろう最強のレプリロイドに悩む機能を持たせている時点で、カインは輝が最後に云ったようにどこか自分自身も迷っていた・・・のかもしれませんね。
◇レプリカロックマン◇
初代ロックマンと輝の闘いがやりたい!ということで登場したロックマン。スペック的にはアベルよりも遙かに下(それでも充分現代に通用するレベルにはスペックアップしてますが・・)ですが、実力的には今まで輝が闘った敵の中で最強です。自分の中でロックマンシリーズの中で最強の存在は誰?と訊かれたら、迷わずロックマン!と答えるくらいに、初代ロックが強い存在になっていたのが原因でしょう。
無数の特殊武器を駆使して輝を苦しめたロックマンでしたが、これまた没原稿が山のように積み上がるほどリテイクの入ったシーンが多かったです。
あれを使わせようとか、これは使いたいとか、これはどう描写したらいいのかとか、考え出すともう頭がぐちゃぐちゃなんです。なにせ百種類近い特殊武器があるわけですから、闘わせる方は溜まったもんじゃないです。
それでも割とスマートな闘いに仕上げることが出来たと思います。心残りは未来からの挑戦者の武器を使わせて上げることが出来なかったこと。ロックバルカンとか使わせれば良かったな・・。
個人的にはダブルロックバスターを出せて満足です。
最後に輝の想いの刃を受けて正気を取り戻しましたレプリカロックマン。こちらも単にロックマンの戦闘データと特殊武器を持たせた奴を作れば良かった・・ってそもそも最初からアクセルとアベルに輝も含めた全員の相手をさせれば済んだ話だったんですが、こちらも何かカインには思うところがあったのかもしれません。
最後にこのロックマンは輝に対して何か呟いてましたが、この伏線はⅢで明らかになります。これをやったからにはちゃんと書かないと・・。
◇補足・解説◇
アベルが云っていたランファント遺跡群の闘いって何だ!?って思う方の為に解説を。余り有名ではありませんが、これはスーパーアドベンチャーロックマンというゲームの中で起きた闘いです。詳細はアベルが語った通り。馬鹿ゲー扱いされているゲームですが、面白い部分もあるので見つけた方は是非手にとってみてください。
ロックマンが最後に使ったダブルロックバスターとアベルが変身した真イエローデビルもここが元ネタです。本当は「真」じゃなくて「新イエローデビル」なんですが、全てのイエローデビルシステムの集大成として出てきた・・ということで敢えて「真」表記でいかせて頂きました。ゲーム版ではとにかく無茶苦茶強くて、初めて闘って勝った人はそんなにいないんじゃないかなと。多分僕が最も苦戦したボスの一人です。
◇一言ネタ(思いついた順番に書いてます)◇
・ダブルロックバスターって強いの?→多分ロックマンが単体で放てる最大火力。スパアド劇中では一発撃つとエネルギーを使い果たしてショートしてしてしまう(何故?)らしいです。
・ファラオショットはどうして二発出た!?→ゲームをやってください。頭の上に出たファラオショットを敵にぶつけてからボタンを放すと二発目が出ます。ずるいよロックマン!
・未来からの挑戦者って?→何故かバンダイから発売されたワンダースワン版のロクフォルのこと。前編で出てきたディメンションズ達が大暴れするよくわからない作品。コンパスマンはロックマンシャドウの友達さ。
・ロックンアーム?→ワールド5のチャージショットのこと。要するにハードナックルみたいな感じ。スーパーロックバスターが効かない相手に物理攻撃・・・?疑問が絶えません。
・ラッシュ達は?→きっと展示室のどこかにいますが、今回参戦はしませんでした。出す予定も最初からありませんでした。でも多分出てきたらハイパーエネルギーパンチが登場したと思います。
・ハイパーエネルギーパンチって・・・→ドラマCDで使用された技のこと。マニアック好きとか云わない。
・ヴレイヴ・イグニッション!→勇気の新バスター。正式名称はリミット・リリース・ブラスター。でも誰が何と云おうとヴレイヴ・イグニッション。ヴァルキリー・レインなんてものもない。あれはイリュージョン・ヴレイヴ。
・勇気ってエネルギー切れじゃないの?→ヴァルキリーはエネルギー切れ。ブレードもリミッター解除した直後にエネルギー切れ。でも攻撃を受ける直前にブレードを自切してノーマルアーマーに切り替えたので、なんとかイグニッション撃てる程度のエネルギーはありました。要するにアーマーが変わればエネルギーソースも変わるということ。セイヴァーⅠでセイアが同じようなことをやっていますね。
・折角活躍したのに輝結局負けてる件について・・→仕方ありません。あのロックマンとタイマンで勝てる奴は四人の中にはいません。それにコピービジョンがなければ勝ってた筈です。少なくとも勇気がヴレイヴイグニッションしてもロックマンには勝てなかった筈です。輝とアベルだったら・・・・た、多分輝は勝てます。
・なんでパンテオンが出てきたの?→元々エックスの量産型であるパンテオンは基本設計の柔軟さや安定した能力を持っていたので、カインが逆輸入して似たようなものを使っていたのです。今更メットールとかを配置するより換装しやすいパンテオンを量産した方が合理的なんでしょう。
と、気分が乗っているうちにと思ったらえらく長くなってしまった後書きはこれで終わりです。今回は全力を出し尽くして書いた作品なので、前編同様感想を頂けるととても嬉しいです。
久々のロックマン二次創作長編でしたが、コードシリーズはまだ続きますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
それではまた次の後書きで。
はっきり云ってこんなに筆が速いのは何年ぶりくらいだろうと思う程のハイペースでコードⅡ.Ⅴを書ききることが出来て、自分でも驚いています。これも楽しみにしてくれている皆さん、応援してくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。ここに御礼を申し上げます。
さて、内容に関する話なのですが、今回は原作ロックマンファンの方をニヤリとさせつつも怒られるくらいの気持ちで書いてみました。アクセルのみならずロックマン、ライト博士やワイリー博士まで引っ張り出して悪役にしたわけですから、当然だと思います。
ただ今回こういうストーリーにしたのは、自分の根底にずっと「エックスがイレギュラー化したらどうなるんだろう?」という疑問があったのだと思います。エックスそのものは出てきませんが、今回の話はそれの一つの答えだと思います。もう人間を護るとかイレギュラーを根絶するとかそういうレベルの問題じゃなくて、全部滅ぼして争わないロボットだけを住まわせる。ある種の箱庭というか、もはや世界が存在する意味さえも無いと思われる幻想ですが、必死に護ってきた人類が何十年、何百年も変わらずにずっと争いばかりしているのを見たら、もしかしたらエックス(ライト博士)はああいう風になったのかもしれないなと思ったのです。
最も今回黒幕として出てきたスーパーコンピュータはライトでもワイリーでもない存在で、もはや全く別の考え方をしてるわけですから、例えライト博士が何百年生きていようとああはならなかったとも思いますが。
それにしても最近だとロクゼロの設定資料とかでシグマウィルスの原型を作ったのがライト博士ってことになってるみたいで、もしかしてシリーズ全体の黒幕はライト博士なのか?とかちょっと思っていたりもします。最初に世界征服を始めようとしたのはワイリーですが、その動機や手段もライト博士に起因するし、エックスを作ったのもライト博士。レプリロイドはエックスを基礎にしているわけですから、シグマが生まれたのもある意味ライト博士が原因。そしてネオアルカディアが・・・と考えていくと、全ての原因はライト博士にあったのかな、と。
X5の覚醒ゼロENDのライト博士の「嫌なメモリー」発言も自分の中に深く根付いていて、もしかしたらライト博士は劇中で云われているほど素晴らしい人間ではないのかもしれない。そんな風に思った瞬間、反射的にこういうストーリーが出来上がっていました。
初代ロックマンのファンの方々、ライト博士は善人だよ!という方々、本当に申し訳ありません。
ただ初代シリーズが10になってもXとの繋がりを全く見せず、そのXシリーズ自身も続編が絶望的・・ということで、イレギュラー化したエックス、ひいてはもしもそんな一面があったらと仮定したライトとワイリーの行く末を自分なりに表現してみたくなり、今回のこの作品を書くに至りました。
もしもこの作品を読んで不快になられた方がいらっしゃいましたら、深くお詫び申し上げます。ですが、楽しみに待っていると励まして下さった方々が楽しんで頂ければ幸いです。自分の中の正義への葛藤や、ロックマンという言葉の重み。そんなものを全力でぶつけた作品でした。
以下はちょっとした補足や裏話をいくつか。
◇輝と勇気◇
前編では活躍しなかった輝と、アクセル戦では未熟さが災いしてついていくのがやっとだった勇気ですが、この後編ではメインとなって大暴れしました。パワー、スピード、反応速度全てにおいて上回りながらも圧倒的な実力と豊富な手数に押される輝と、超高スペックのアベルを相手に奮闘する勇気。今回の闘いは、ある意味二人にとって大きなターニングポイントだったと自分では思っています。
今まで輝の背ばかりを追っていて、ある意味ではチビ輝でしかなかった勇気。実際今もまだ輝の背を見ていることには変わりないのですが、少しずつ変わり始めている。当の輝もコードⅡのラストの時点で少しずつ考え始めていた事柄が、今回完全に形になった。
一体何のために闘うのか。何を護るために闘うのか。何として、誰として闘うのか。今回の闘いは、二人に蒼いロックマンの分岐点だったのかもしれません。
それがどういう分岐点だったのか。輝と勇気の二人が今後どういう道を進んでいくのか。精一杯メッセージは込めたつもりです。読んでくださる方々がそれを感じて頂ければ嬉しいです。
◇海と響◇
前編では大活躍だった二人ですが、後編ではちょっと勇気に押され気味で出番は少なめ。それでも描写されていない場面ではアベルと必死に闘っていますし、変身前のアベル戦では勇気以上に奮闘してます。
今回二人に云えることは・・・うーん・・・敢えて云うなら、二人は良い意味で輝や勇気よりも割り切ることが既に出来ていて、今更闘う理由も何も迷わないということでしょうか。
海は以前の輝との喧嘩で。響はいわずもがなアークとの最終決戦で、既に自分に必要なものを知り、何のために闘うかも知っている。だからアベルに理想郷の話を聞かされた時も輝や勇気のようにわざわざ何かを口に出して云う必要はない。理想郷の為に全てを滅ぼす?何云ってんだ、ふざけんな。そんなことさせるわけないだろ、そんな馬鹿げたことはぶっ潰してやるぜ。くらいの気概です。
過去にジェノサイド化した苦い経験を持ち、未だ自分のアイデンティティに僅かに揺れる輝。未だ精神的にも肉体的にも未成熟の勇気。そんな二人に対して海と響に迷いはない。悩むことも迷うことも大切だけど、全員がそれじゃどうしようもない。だからいつも迷わずしっかりと地に足をつけている者が必要。海と響はそういう立ち位置になってくれたらいいと思います。
前編ではアクセルを仕留めた響。相変わらず安定して強いです。海の方は今回パッとしないなとお思いかもしれませんが、ちゃんとガンマを倒してます。戦闘能力的に負けているわけではないです。本当です。海は強いよ!
◇A・X・Lシリーズ◇
はい、出ました。勝手に裏設定をつけちゃおうということで敵として登場して頂いたアクセルシリーズ。劇中では細かい設定が語られなかったので、ここではちょっとだけその話をしたいと思います。
X8では新世代レプリロイドのプロトタイプということになっているアクセルですが、X8の歴史を内包していない本作では全く別物になっています。コンセプトは本人達が語ったように、最強のレプリロイド。特殊武器可変システムを更に進化させたA-トランスで様々な姿に変身することでいかなる状況にも単機で対応することが出来る能力を持ち、本人の戦闘能力も劇中で云われている通り、Noah`S Ark戦の前の輝達なら四人全員を一人で圧倒出来る程。輝達の新アーマーとNoah`S Arkとの闘いの経験がなければ、まさに最強のレプリロイドでした。
因みにA・X・Lシリーズは全部で三体います。劇中でアベルが一回だけ名前を出しましたが、その最初の一体がAdvance・X・Lordeで、原作のアクセルに相当するレプリロイドです。つまりセイヴァーⅡのラストにほんのちょこっとだけ出てきた彼がそれです。A・X・Lシリーズの中では試作機に対応する初代アクセルは原作通りコピーショットでDNAデータを採取しなければ変身出来ないという欠陥があり、その変身時間も限られた時間しかないという中途半端なものでした。生まれたばかりの彼は暴走して自分のカプセルを破壊して逃走。その後レッドアラートに拾われ、紆余曲折を経てセイヴァーⅡのラストに登場し、その後ハンターとして殉職しました。顔についたX字の傷は南極の研究所から逃げ出す時にパンテオン達と闘って出来た傷という設定です。記憶を失っているのもその時のショックのせい。
そして前編で登場したアクセルことAderent。こちらは外見そのものはアクセルと同じですが、顔に傷はありません。活躍は知っての通りで、勇気達の新アーマーの戦闘データを収集して用済みになったのでアベルによって破壊されてしまいました。最もあのままでも海か響にやられていたでしょうけど。
そして、完成形のアベルことAbel・X・Lorde。結局劇中では描写されなかったんですが、実はあのスーパーコンピュータの固有名がカインで、こっちがアベル。失楽園云々の話だったわけですが、会話のテンポ的にどうしてもカインと名乗らせることが出来ませんでした。余談です。
でまあ、X8のアンノウンアクセルよろしく白いアベルですが、何故白いかというと単に塗装が間に合わなかっただけという。それでも新戦闘データの入力でアクセル以上の戦闘能力を発揮し、勇気達を苦しめました。
そしてそのアベルの最大の能力が本人曰く真のAderrent-Trance。なんとびっくり、大型メカニロイドの姿にまで変身出来るというとんでも能力です。質量保存の法則が・・!という突っ込みがもちろん来るでしょうが、実はあれ、まだあの部屋の中でしか使えないんです。床とか天井からうにょうにょーっと追加パーツの為の液体金属がしみ出てきて、それがくっついて変身するイメージです。多分外で変身する時はでっかいサポートメカとか連れていくんでしょうね。
今回はガンマと真イエローデビルの姿にしか変身しなかったアベルですが、実は没原稿ではメカドラゴンやイエローデビルなど四種類くらい変身してます。無茶苦茶くどくなるので結局カットしちゃいましたけど・・。とにかく、アークを入れてもスペック的には史上最強の敵でした。
最後悩む仕草を見せたアベルですが、その精神はもう随分前に完成していて、カインと一緒に世界を見てきました。最初はカイン同様真の理想郷に対して何の疑問も持っていなかったんですが、勝てないとわかりきった闘いでも諦めない勇気達を見て、心を動かされたのか。それとも元々ほんのちょっとは疑問を持っていたのか。
なんにせよ真の理想郷の頂点に立つだろう最強のレプリロイドに悩む機能を持たせている時点で、カインは輝が最後に云ったようにどこか自分自身も迷っていた・・・のかもしれませんね。
◇レプリカロックマン◇
初代ロックマンと輝の闘いがやりたい!ということで登場したロックマン。スペック的にはアベルよりも遙かに下(それでも充分現代に通用するレベルにはスペックアップしてますが・・)ですが、実力的には今まで輝が闘った敵の中で最強です。自分の中でロックマンシリーズの中で最強の存在は誰?と訊かれたら、迷わずロックマン!と答えるくらいに、初代ロックが強い存在になっていたのが原因でしょう。
無数の特殊武器を駆使して輝を苦しめたロックマンでしたが、これまた没原稿が山のように積み上がるほどリテイクの入ったシーンが多かったです。
あれを使わせようとか、これは使いたいとか、これはどう描写したらいいのかとか、考え出すともう頭がぐちゃぐちゃなんです。なにせ百種類近い特殊武器があるわけですから、闘わせる方は溜まったもんじゃないです。
それでも割とスマートな闘いに仕上げることが出来たと思います。心残りは未来からの挑戦者の武器を使わせて上げることが出来なかったこと。ロックバルカンとか使わせれば良かったな・・。
個人的にはダブルロックバスターを出せて満足です。
最後に輝の想いの刃を受けて正気を取り戻しましたレプリカロックマン。こちらも単にロックマンの戦闘データと特殊武器を持たせた奴を作れば良かった・・ってそもそも最初からアクセルとアベルに輝も含めた全員の相手をさせれば済んだ話だったんですが、こちらも何かカインには思うところがあったのかもしれません。
最後にこのロックマンは輝に対して何か呟いてましたが、この伏線はⅢで明らかになります。これをやったからにはちゃんと書かないと・・。
◇補足・解説◇
アベルが云っていたランファント遺跡群の闘いって何だ!?って思う方の為に解説を。余り有名ではありませんが、これはスーパーアドベンチャーロックマンというゲームの中で起きた闘いです。詳細はアベルが語った通り。馬鹿ゲー扱いされているゲームですが、面白い部分もあるので見つけた方は是非手にとってみてください。
ロックマンが最後に使ったダブルロックバスターとアベルが変身した真イエローデビルもここが元ネタです。本当は「真」じゃなくて「新イエローデビル」なんですが、全てのイエローデビルシステムの集大成として出てきた・・ということで敢えて「真」表記でいかせて頂きました。ゲーム版ではとにかく無茶苦茶強くて、初めて闘って勝った人はそんなにいないんじゃないかなと。多分僕が最も苦戦したボスの一人です。
◇一言ネタ(思いついた順番に書いてます)◇
・ダブルロックバスターって強いの?→多分ロックマンが単体で放てる最大火力。スパアド劇中では一発撃つとエネルギーを使い果たしてショートしてしてしまう(何故?)らしいです。
・ファラオショットはどうして二発出た!?→ゲームをやってください。頭の上に出たファラオショットを敵にぶつけてからボタンを放すと二発目が出ます。ずるいよロックマン!
・未来からの挑戦者って?→何故かバンダイから発売されたワンダースワン版のロクフォルのこと。前編で出てきたディメンションズ達が大暴れするよくわからない作品。コンパスマンはロックマンシャドウの友達さ。
・ロックンアーム?→ワールド5のチャージショットのこと。要するにハードナックルみたいな感じ。スーパーロックバスターが効かない相手に物理攻撃・・・?疑問が絶えません。
・ラッシュ達は?→きっと展示室のどこかにいますが、今回参戦はしませんでした。出す予定も最初からありませんでした。でも多分出てきたらハイパーエネルギーパンチが登場したと思います。
・ハイパーエネルギーパンチって・・・→ドラマCDで使用された技のこと。マニアック好きとか云わない。
・ヴレイヴ・イグニッション!→勇気の新バスター。正式名称はリミット・リリース・ブラスター。でも誰が何と云おうとヴレイヴ・イグニッション。ヴァルキリー・レインなんてものもない。あれはイリュージョン・ヴレイヴ。
・勇気ってエネルギー切れじゃないの?→ヴァルキリーはエネルギー切れ。ブレードもリミッター解除した直後にエネルギー切れ。でも攻撃を受ける直前にブレードを自切してノーマルアーマーに切り替えたので、なんとかイグニッション撃てる程度のエネルギーはありました。要するにアーマーが変わればエネルギーソースも変わるということ。セイヴァーⅠでセイアが同じようなことをやっていますね。
・折角活躍したのに輝結局負けてる件について・・→仕方ありません。あのロックマンとタイマンで勝てる奴は四人の中にはいません。それにコピービジョンがなければ勝ってた筈です。少なくとも勇気がヴレイヴイグニッションしてもロックマンには勝てなかった筈です。輝とアベルだったら・・・・た、多分輝は勝てます。
・なんでパンテオンが出てきたの?→元々エックスの量産型であるパンテオンは基本設計の柔軟さや安定した能力を持っていたので、カインが逆輸入して似たようなものを使っていたのです。今更メットールとかを配置するより換装しやすいパンテオンを量産した方が合理的なんでしょう。
と、気分が乗っているうちにと思ったらえらく長くなってしまった後書きはこれで終わりです。今回は全力を出し尽くして書いた作品なので、前編同様感想を頂けるととても嬉しいです。
久々のロックマン二次創作長編でしたが、コードシリーズはまだ続きますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
それではまた次の後書きで。
PR
無題
ども、前編の感想に引き続きblazerです。
後編も読ませて頂きました。大変面白かったですよー。
いやぁ、前編の感想でアクセルのソードマン変身について言いましたが、後編はそんなレベルでなくなってて驚きましたw
まさかガンマやイエローデビルが出てくるとは。
個人的にアベルが最初に登場した時は、カラーリングからてっきりアクセルの身体を乗っ取ったルミネなのかと思いましたが、X8は歴史に含んでない世界観だったんですねぇ。
あとコピーロックマンvs輝、こちらはアベル戦ほどの派手さは無かったですが、その分綿密な描写と戦略が光ってましたよ。
スペックでは劣っている筈のコピーロックマンに追い詰めたとは言え最終的に輝が勝てなかったというのも感慨深いものがありましたねぇ。
正気を取り戻したコピーロックマンの場面も凄く良かったです。有賀版ロックマン6のコピーロックマンのエピソードを思い出し、あのロックマンがもっと長生きしてたらこんな風になってたのかなぁとも思いました。
総じて、凄く面白く読ませて頂きました。次回作も楽しみにしてますよ。
それではまた~
後編も読ませて頂きました。大変面白かったですよー。
いやぁ、前編の感想でアクセルのソードマン変身について言いましたが、後編はそんなレベルでなくなってて驚きましたw
まさかガンマやイエローデビルが出てくるとは。
個人的にアベルが最初に登場した時は、カラーリングからてっきりアクセルの身体を乗っ取ったルミネなのかと思いましたが、X8は歴史に含んでない世界観だったんですねぇ。
あとコピーロックマンvs輝、こちらはアベル戦ほどの派手さは無かったですが、その分綿密な描写と戦略が光ってましたよ。
スペックでは劣っている筈のコピーロックマンに追い詰めたとは言え最終的に輝が勝てなかったというのも感慨深いものがありましたねぇ。
正気を取り戻したコピーロックマンの場面も凄く良かったです。有賀版ロックマン6のコピーロックマンのエピソードを思い出し、あのロックマンがもっと長生きしてたらこんな風になってたのかなぁとも思いました。
総じて、凄く面白く読ませて頂きました。次回作も楽しみにしてますよ。
それではまた~
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